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2018.01.09

【各国大使館/公的機関 スペシャルインタビューシリーズ】オーストラリア・ビクトリア州政府

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【各国大使館/公的機関 スペシャルインタビューシリーズ】

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オーストラリア・ビクトリア州政府
眞田まことさん
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大使館/公的機関スペシャルインタビューの第9回は 豪州ビクトリア州をお送りします。

オーストラリア・ビクトリア州政府教育企画推進官の 眞田まことさんにお話を伺いました。

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JACSAC(以下、J):日本だけでなく 世界中の留学生に人気の高い都市メルボルンを擁するビクトリア州ですが 留学生数は増えているという印象があります。
実際のところいかがですか?

ビクトリア州政府(以下、V):はい。そのとおりです。
2016年は2015年と比べると2ケタ成長しています。

2016年の留学生数は世界中からおよそ175,000人。
うち日本人はおよそ3,200人で 国籍ランキングでは14位です。

ちなみに留学生数は今年もますます伸びています。
2017年8月までの時点で、すでに2016年の数に並びました。

したがって今年は昨年を上回る勢いで 多数の留学生がビクトリア州を訪れることが確定しています。

J:すごいですね。
その理由としては何があると分析されていますか?

V:ビクトリア州に限らず すべての国で留学が盛り上がっていることにも起因していますし もしかしたらアメリカでビザへの懸念が出ていることや 欧州でテロが発生した余波なのかもしれません。

しかし、それらを置いて言えることもあります。
なかでも日本人に関して言えば 日本の人たちの求めるトレンドが変わってきていることが明らかになっています。

VET(職業訓練)分野の伸びが顕著だということです。

以前は日本からの留学生ニーズ主体は英語のみ もしくは英語+アルファでした。
しかし、TAFEをはじめとするオーストラリアのVETの優位性が 日本人留学生たちに知られてきています。

日本人留学生の多くは日本で大学の学位を持っています。
海外で必ずしも学士号をとらなくてもいいという人にとって VETは学びやすい選択肢です。

VETであれば 大学院ほど高い英語力や授業料を求められるわけではなく 比較的入りやすい英語力基準で 実践的なスキルを学べ、 リーズナブルな授業料で学ぶことができる。
しかも期間は半年から2年半程度と幅広い選択肢があります。

J:英語留学の次を考えている人にとって 学びやすい条件がそろっているということですね。

V:はい。英語留学やワーキングホリデーで渡豪した人たちが 次の教育機関としてVETに進学する傾向が目立ってきたのは ある意味自然な流れなのかもしれません。

ちなみに、ビクトリア州というのは VETが発展する土壌が整っている地域としても知られています。

ビクトリア州は他州とくらべて輸出資源があまりない地域ですが ブラウンコール(褐炭)がとれます。
ブラウンコールは輸出に適した資源ではありませんが 州内の火力発電に活用され、その結果として安く電力を供給できます。

そんな背景から オーストラリアの製造業の7割以上がビクトリア州にあり ここは技術開発の最先端なのです。

人材育成にも力が入るのは当然のことで その社会的背景からVET教育が発展しているという面があります。

J:それは面白い話ですね。ちなみにそういった意味で ビクトリア州が留学生にとって面白い地域となっている点は 他になにがありますか?

V:イベントがたくさんありますね。
全豪オープンテニスに、F1グランプリなど 国内外から人が集まるイベントを擁するビクトリア州では 観客として楽しむだけでなく 裏方として働いてみる機会があるということです。

なお、ビクトリア州政府ではライブ (LIVE=Lead. Intern. Volunteer. Experience.)というプロジェクトを通して 留学生にインターンやボランティアといった「経験」を学ぶ場を 提供するプロジェクトを実施しています。

留学生にとって何よりも得難い財産となる「経験」を サポートしようというプロジェクトです。
詳しくはStudy Melbourneのウェブサイトでもみることができますので ぜひご覧ください。

※Study Melbourneウェブサイト
https://www.studymelbourne.vic.gov.au/

J:ビクトリア州は州政府としてそのような留学生サポートを 他にも行っていますか?

V:はい。
まず、2009 年からメルボルン空港には留学生ウェルカムデスクを設置しています。

留学生の皆さんは 到着したら最初にこのウェルカムデスクを訪れてください。
全員がもらえるウェルカムパックでは 公共交通機関 のこと、家のこと、携帯電話のこと、銀行のこと、税金のこと、ショッピング・カフェのこと・・・などなど
メルボルン留学生活に必要なことを網羅しています。

また、州政府はメルボルン市内に「Study Melbourne Student Center」という サポート拠点を設置しています。
万が一のトラブル対応ばかりでなく 定期的に留学生に役立つワークショップを開催しています。

例えば、さっきも話題にのぼったインターンをテーマにしたものなら インターン経験した学生がパネラーとして参加し 経験談やアドバイスをシェアしたりしています。

予約制の履歴書チェックというサポートもやっていますね。

さらに、毎週木曜日には弁護士に相談できます。 「アルバイトしてるんだけど、私の時給は違法ですか?」といった 類の相談も多いようですよ。

雇用主にも学校にも相談しづらい。
けれど弁護士に相談したらお金がかかる上に 弁護士選び自体、容易ではありません。
そんな学生へのヘルプという側面があります。

優秀な留学生や教育機関を表彰する 「Victoria International Education Award」というものもありますね。

この表彰を受ければ奨学金が授与されますから 日本人の留学生も積極的にエントリーしてほしいです。

これからビクトリア州へ留学生を送り出すご予定のある方は このアワードの存在をぜひ教えてあげていただきたいですね。

J:最近の新しい試みはありますか?

V:実は今年4年目を迎えるプロジェクトを ある大学とビクトリア州とで行っていまして その成果やノウハウを先行事例として共有すべくスタートしています。

新しい海外研修の形や次のステージのカリキュラムで 悩んでいる大学や専門学校の方々へのアシストになれば・・・と思っています。

同大学の観光学部では2年次に1 年間全員がビクトリア州内の3つの大学に留学し 4年間で卒業するというカリキュラムを実施しています。

このプロジェクトの成果が出始めていることから、 先進事例のひとつとして、州政府によるプログラム開発のサポートや 留学による成果や学生の満足度などを共有するセミナーを開催しています。

これまでとは違う新しい留学プログラムや 既存のプログラムの拡大を検討しているという 大学や専門学校のご担当者さんがいたら 私がエージェントさんに同行して 様々なプログラムや学校についてお話をします。

その中から興味を持って頂いたものがあれば そのプログラムや学校をご紹介しますので 引き続き話を詰めていってもらえればと思います。

また、留学会社でカウンセラー勉強会があるときは 都内なら随時講師に伺っていますし 地方であっても出張のタイミングと合わせて訪問しています。
お気軽に相談していただきたいと思います。

J:国としてのオーストラリアだけでなく 州単位でのお取組みがこんなにあることを知りました。
本日はありがとうございました。

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