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2011.12.20

JACSACセミナー「世界のトップリーダー養成校、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)とは」開催報告

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11月29日、ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチセンター長、佐藤信雄様を迎えて、JACSACセミナーが開催されました。
テーマは『世界のトップリーダー養成校、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)とは』で、世界のトップリーダーを輩出するHBSについてお話しいただきました。

「HBSでは2年間で500件のケーススタディをやります。」と身を乗り出して聞きたくなる話から始まりました。
そのケースはすべて実在する企業の、実在する問題。
学生たちは事前に渡されたケースを予習し、授業では一人の学生が当てられて発表し、学生達からの質問を受けながらディスカッションする、教授はそれをリードする、というやり方で進められます。
この80分の授業を有効に機能させるには教授の役割は大きく、準備に十数時間かけ、新しいケースの場合は教授がどの部分で何を話すか、分刻みの構成が出来上がっているそうです。

そこで学ぶことは一貫して『リーダーシップはどうあるべきか』。
リーダーのattitude、問題解決のplan&action、そしてimplement等を500件のケーススタディを通して経験するのです。
2年目の授業のない1月には6人1チームとなり世界に散らばり現地企業と組んで新規プロジェクトをやる、というスタディもあるそうです。
1年目から選択科目があるビジネススクールもありますが、HBSでは1年目はすべて必須科目。2年目で選択科目が入って来ます。
というのも、HBSはファイナンスのように特定の分野のスペシャリストを養成するのではなく、スペシャリストをリーダーシップでマネジメントできるリーダーを養成するのが目的だからです。

HBSでの成績評価は50%がclass participationで、量と質とを評価されます。
残り50%がfinal examで、4時間かけてケースを読み答えを書いていきます。
おそらく、多くのビジネススクールは絶対評価だと思いますが、HBSは相対評価をとっているそうです。
つまり、どんなに優秀であっても、必ず、ボトム10%に入る人達がいて、1年目終了時にキックアウトされるそうです。

留学カウンセラーが気になる入学審査ですが、出願者は約9500人、合格者が約1000人、入学者が約900人ですから、倍率は10倍といったところです。
出願書類の中で最も重要なのがエッセイ。
その中でいかにリーダーシップのhabitがあるか、また、自分のことだけでなく世の中のことを考えて貢献する資質があるかを見られるそうです。
TOEFLは107点を求められますが、どんなに高得点でもインタビューでコミュニケーションできない人もいるようで、日本人はその傾向が強いようです。
一朝一夕のテクニックで合格するのは難しいことを改めて知らされました。
一度、不合格になって再度、翌年に出願した場合も不合格になるか、という質問には、合格した人もいる、という答えが返って来ました。

セミナーの中、興味深かったのは、世界における日本の存在の希薄さでした。
ケーススタディの中ではトヨタ、日産など日本の企業を取り扱ったケースもあるのですが、「日本の企業を取り扱ったケースは何件あるか」という質問に、「全員が学ぶ200ケースの中でわずか4件です」と答えていらっしゃいました。
日本への関心はその程度なのです。
これについては、アンケートで触れた方がいて、「日本の存在感の喪失は危機的状況にあると感じました。
その中で、留学カウンセラーの役割は大きいと思いました。」と書かれていました。

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